SEOによる集客・流入促進の狙い方【BtoBサイト制作の勘所】
新型コロナウイルス感染症の流行などを契機に激変したBtoB営業・マーケティングの世界。BtoB(企業間取引)ビジネスにおけるオンライン施策の重要性が急速に高まりました。
従来は訪問型営業や展示会の出展などが主だったBtoB企業の多くが「BtoBサイト」制作、マーケティング施策を本格化させて、集客・リード獲得の成果向上を目指すことが必須になってきました。
しかし、やみくもにWebサイトを作るだけでは狙った成果を上げるのは困難です。特に自社のサイトをより多くのユーザーに知ってもらうためには、SEOを意識したサイト制作が欠かせません。そこで本記事では、BtoBサイトとSEOの基本と「SEO対策」の実践方法について解説します。
BtoBサイトとSEO対策
BtoBサイトとは、企業と企業で商取引を行うBtoB企業が自社の商品・サービスをPRするためのWebサイトを指します。企業が制作・運営するWebサイトには、自社紹介のための「コーポレートサイト」、商品・サービスが中心のコンテンツとなる「サービスサイト」、情報発信が目的の「オウンドメディア」などさまざまな種類が存在します。BtoBサイトにおける広義の意味は上記のすべてのサイトを指しますが、一般的にはサービスサイトを指すケースが多いです。本記事でも「BtoB企業が制作するサービスサイト」を念頭に解説していきます。
SEO対策とは
SEO(Search Engine Optimization)は「検索エンジン最適化」という意味です。デジタルマーケティングの施策の1つであり、近年はBtoBサイトにおいても、ユーザーがオンラインで情報収集した後にリード獲得して、商談化につなげていくことが重要となっているため、注目が高まっているのです。
その理由としては、BtoBサイトの主な流入元はGoogle検索などの検索エンジンであることが挙げられます。SEO対策を適切に実施して自社のサイトを検索エンジン上で上位表示することができれば、より多くの人に認知されやすくなり、流入の増加につなげられます。
SEO対策の手法は大きく4つに分類でき、いずれもBtoBサイトで採用されることが一般的です。それぞれの特徴を下記で確認しましょう。
SEO対策の種類
- 施策名
- 目的
- 内容(例)
- 内部施策
- Webサイトを構築するHTMLを検索エンジンに評価されやすいように最適化する
- ・メタディスクリプション、メタタグの設定
・hタグ(見出しタグ)や構造化データのマークアップ
・最新のHTMLに合わせた各種タグのマークアップ
- 外部施策
- Webサイトの評価項目の1つである他サイトからリンク(外部リンク)を獲得する
- ・SNSやプレスリリース、キュレーションサイトといった自社以外のメディアでの情報発信
- ページエクスペリエンスの最適化
- Webサイトのコンテンツ以外のユーザーの体験指標「ユーザーエクスペリエンスシグナル」を向上する
- ・LCP(読み込み時間)の短縮
・CLS(視覚的安全性)の向上
・モバイルフレンドリーな設計
・HTTPSの対応
・FID(インタラクティブ性)の向上
- コンテンツ制作
- 検索キーワードに対するユーザーの需要に一致したコンテンツを制作する
- ・狙ったキーワードを網羅したサイト設計
・サイト設計に基づくWebテキストの作成
・画像やリンク、各種タグなどを挿入することによる文章構造の明確化およびテキストの視認性向上
BtoBサイトにおけるSEO対策の重要性
SEO対策を行わなければ、検索エンジンから「質の低いWebサイト」と評価されるリスクが高まります。そうなると商品やサービスのページがインデックスされなかったり、検索順位が著しく低くなってしまう恐れも考えられるでしょう。さらに検索順位が下がることは、自社のBtoBサイトのクリック率の低下に直結するため、せっかく制作したWebサイトをユーザーが訪問する機会の損失につながります。
BtoBサイトを制作する目的は企業によってさまざまですが、一般的にはサイトを経由した「お問い合わせ数の増加」による「売上高の向上」が挙げられます。最終的な目標を達成するプロセスは各企業によって異なるものの、BtoBサイトにユーザーを「集客」する重要性は共通して高いと考えられます。そのため、SEO対策を正しく行い自然検索流入を増やすことは、BtoBサイトの制作において避けられない「基本的かつ重要なデジタルマーケティング施策」といえるのです。
BtoBサイトのSEO対策におけるよくある課題と費用対効果
内部SEO、外部SEO、ページエクスペリエンス最適化、コンテンツ制作に取り組むべき優先度、運用体制、必要な予算はそれぞれの企業や目的によって異なります。ただ、いずれにしても投入するコストや人員に対する「費用対効果」が、SEO対策の成否を分ける主な指標といえるでしょう。
ただ、SEO対策には多様なアプローチ方法があるうえ、明確な正解はありません。さらに競合サイトの対策状況や検索エンジンのアップデートといった外的要因に合わせて、常に検証し続けなければならないのです。そのため、SEO対策を行う意義や知識、メリット・注意点をしっかりと理解して目的・目標設計などを社内外の関係者で共有して、適切な予算配分や実施期間を設けることが必要です。
SEO対策のメリット
- 「長期的」に広告コストを削減できるなど、集客コストの圧縮につなげられる
- 受注確度の高いユーザーを獲得しやすい
- ブランディング効果が得られる
SEO対策の注意点
- 基本的に効果を得られるまでに時間がかかるため、短期的な成果を上げにくい
- キーワードの競合やボリュームによっては上位表示が難しいケースがある
- 専門的な知識が求められる
- コンテンツ制作の場合、一定の人的リソースが必要になることが多い
上記のポイントがあいまいになるほど、不適切なタイミングで「コストパフォーマンスの悪化」や「担当者の負担増大」といった課題にぶつかってしまうリスクが高まります。そのため、SEO対策を講じる際は、ある程度の期間を設けてABテストなどを繰り返すことを前提に計画する必要があるでしょう。特にBtoBサイトを新規制作や大規模リニューアルを行う際は、前述した4つの施策を効率的に実施・検証しやすい好機です。SEO対策の実績が豊富なWeb制作会社に依頼するなど、専門家も活用しながら計画的に実施しましょう。
BtoBサイトのSEO対策の実践ポイント
BtoBサイトのSEO対策の実践ポイントを順序立てして紹介します。詳細は各企業によって異なりますが基本的な考え方は共通しているので、ぜひ自社に置き換えながら確認してみてください。
1:ターゲットを整理する
SEO対策の基本的な目的は「(見込み)顧客の獲得」であることが多いです。その場合、まずはBtoBサイトを経由して獲得したいターゲットを明確化しましょう。業界/業種・企業規模・部門・役職などの「顧客属性」。本社や営業所などの「顧客地域」。インターネットリテラシーや検索シーンなどの「心理的・行動的特徴」を明らかにすることをおすすめします。
2:カスタマージャーニーを考える
顧客が製品・サービスを導入するまでの一連の流れを「カスタマージャーニー」といいます。基本的には「①認知・興味」、「②情報収集」、「③比較検討(商談含む)」、「④購入」、「⑤リピート」と区分されます。各項目における顧客の行動、状況・思考を明らかにすることが、各ジャーニーで適切なキーワード設定につながります。
3:自社の売りとなるポイントを考える
競合他社や既存のBtoBサイトにはない、自社独自の強み「USP(ユニーク・セリング・プロポジション)」を考えましょう。USPには「自社だけが約束できる顧客に提供可能な利益」という意味があります。USPを明らかにできれば、ユーザーの需要と一致したサイト構造、コンテンツ制作が可能になり、上位表示されやすくなるのはもちろん、CVR(コンバージョン率)の向上も期待できます。
4:検索キーワードを抽出・選定する
ターゲットごとにカスタマージャーニーを設定し、USPを考慮したうえで、各ジャーニーに関連するキーワードを抽出して選定しましょう。検索キーワード調査ツールなどを使って、自社だけではなく競合サイトやキーワードボリュームといった多様な要素を俯瞰的に確認したうえで選定する必要があります。
5:コンテンツ設計を行う
キーワードに則ったコンテンツ設計を行いましょう。BtoBサイトの場合、トップページはもちろん、製品やサービスページ、事例、コラムページなどサイト構造からコンテンツの取捨選択や盛り込むべきキーワードなどを明らかにします。
6:コンテンツ原稿を作成する
各コンテンツのテキストを作成します。「静的ページ(固定ページ)」やWordPressを使って更新する「動的ページ」のいずれも、SEOのキーワードを適切に使用し、一定以上の文章量が求められるケースがほとんどです。SEO対策の指示書などに従って自社で制作することも可能ですが、リソースや専門的な知識が乏しい場合、外注業者を活用するケースが多いです。
7:効果測定、PDCA改善していく
各コンテンツを公開した後は、Googleアナリティクスなどのレポートを参考に掲載順位やページ評価、PV、UU、CTR、セッション時間などをチェックしていきましょう。外部環境なども踏まえてPDCAサイクルを回し続けることが求められます。
IT・製造業のSEO対策なら、アドミューズにご相談ください。
BtoBサイト制作の勘所のうち、特に基本的な情報について解説しました。効率的にBtoBサイトのSEO対策を行うのであれば、BtoBに特化したWEB制作会社・コンテンツ制作会社への依頼をおすすめします。株式会社アドミューズは、IT・製造業のSEO対策の実績が豊富なWEBサイト・ホームページ制作・コンテンツ制作会社です。BtoBサイトの新規制作、改修、SEO対策などをご検討の際はぜひ相談ください。