BtoB LP制作(ランディングページ)の重要ポイント①【BtoBサイト制作の勘所】
BtoBマーケティングにおいてもLP(ランディングページ)施策は欠かせない要素です。BtoB LPはBtoC向けLPやサービスサイトと異なる点が複数あり、特に目的やコンテンツ設計を見誤ると成果に結びつかないこともあり得るでしょう。
この記事では、ターゲットの特定やコンテンツの構成といったLP制作のポイントを多数紹介します。LP制作を検討されているBtoB企業の担当者様は、目的の設定から順番に検討しましょう。
BtoB LP制作(ランディングページ)の目的
まずはBtoBにおけるLP(ランディングページ)とは何かについて、基本的な定義や企業がLPを利用する目的を中心にご紹介します。
LP(ランディングページ)とは
LPとは「ランディングページ」の略称で、英語の「Land」(着地する)を語源としており、大きく2つの意味があります。1つ目は、Google・Yahoo!の検索結果や各種WEB広告を経由して「ユーザーが最初に訪れるページ」を指し、2つ目は、ページ流入後のユーザーに「購買行動を促すページ」という意味です。
この記事では、後者に着目して、BtoB領域におけるLP制作のポイントをお伝えします。
LPは大きく「潜在層向けLP」と「顕在層向けLP」の2種類に分類することができ、目的に応じてコンテンツ設計や情報量を調整することが必要です。
・潜在層向けLP
潜在層とは、何かしらの課題や欲求を感じているが、それを解消できる商品やサービスをイメージできていないユーザー層を指します。
例えば、請求書の管理に困っており「何とかしたい」と思ってはいるものの、それを解決できるツールや具体的な解決方法が発見できておらず、明確なキーワードでの検索行動を起こしていない状態です。
潜在層ユーザーに対しては、いきなり自社サービスの導入を促しても、すぐに離脱されてしまう可能性が高い傾向にあります。まずは、課題が起きている原因や対処法の紹介など、課題を解決できる自社商品・サービスに興味をもってもらえるようなコンテンツ展開にすることをおすすめします。
・顕在層向けLP
顕在層とは、自社の課題を解決できる、具体的な商品やサービスをすでに認知しており、比較検討または購入のフェーズにいるユーザー層を指します。
先ほどの「請求書管理」という課題に対して、自社に適切な会計ソフトなどの情報収集や比較をしている段階です。
このようなユーザー層に対しては、自社商品・サービスを導入することによる具体的なメリットや競合商品との比較、他社の導入事例などのコンテンツを盛り込みましょう。ユーザーに対し購買行動を積極的に促すことができます。
BtoBにおけるLPの目的
LPの最終的な目的は企業によって異なりますが、主に商品の購入や問い合わせに設定されることが多いです。
BtoCの場合は、LPを閲覧するユーザーは購入の意思決定者であることが多いため、商品やサービスを気に入れば、その場で購入を決めてもらえます。
一方で、BtoBでは、LPを閲覧するユーザーは決裁権を持たない担当者であることも多く、即時購入に至る可能性は低くなるでしょう。
担当者が簡潔に導入メリットを理解し、経営層に提案できるよう、比較検討の材料となる情報を明確かつ丁寧に提示してあげることが重要です。
BtoBの場合は前述のとおり、見込み顧客の獲得がメインとなるため、さまざまな角度から目的を設定すると良いでしょう。
コンバージョンポイントには、お問い合わせだけでなく、資料請求(お役立ち資料などのホワイトペーパーを含む)や無料トライアルなど複数設置し、網羅的に情報を提供するようにします。
お役立ち資料ダウンロードやウェビナー申し込みは、コンバージョンのハードルを下げることが可能で、自社商品とユーザーの接点を増やすことができるでしょう。
BtoB LP(ランディングページ)と製品/サービスサイトとの違い
企業の商品・サービスを訴求する際は、LPと同じような役割を持つサービスサイトも活用できます。両者にはどのような違いがあるのでしょうか。BtoB LPの特徴とともに解説します。
BtoB LPとサービスサイトの違い
LPは商品・サービスの魅力を詳細に伝えるためのページを指します。1ページのみで構成され、縦長のレイアウトをとることが多いです。
購買や申し込みといった行動を促進することが目的のため、ユーザーがスムーズにコンバージョンに至るようなコンテンツ、導線設計になっています。
一方でサービスサイトとは、商品やサービスの紹介・販売だけでなく、企業のブランディングや採用活動の活性化を目的として設計されるサイトを指します。
売上に直結しないコンテンツも含めて、自社に関する情報を網羅的に発信しており、定期的にコンテンツを更新することで、ユーザーとの継続的な接点を作っています。
つまり、LPはある特定の商品やサービスを詳細に説明し、購買を意図して設計されたページといえます。対して、サービスサイトは定期的な情報発信でユーザーへの認知拡大・興味関心の向上を意図して作られたページです。
ページの目的が大きく異なるため、構成や載せるコンテンツなど、ユーザーにどのような態度変容を期待しているかを意識して設計しましょう。
BtoBのLPの特徴
BtoB LPには、サービスサイトやBtoC向けLPと異なり、以下で挙げる3点の特徴があります。
・Web広告やSNS広告の遷移先となる
・論理的に情報を伝える
・デザインは信頼感が重要
LPはWeb広告やSNS広告の遷移先として使用されることが多いページのため、ページの途中や最後にコンバージョンポイントを設置します。
BtoBのLPの場合、LPの閲覧者が決済権を持っているとは限らないため、その場で購入の意思決定をできないことが大半です。そのため、いきなり購入を促すのではなく、お役立ち資料のダウンロードやお問合せなど、少しハードルを下げたコンバージョンポイントを設置するようにしましょう。
BtoCであれば、ユーザーの感情に訴えかけることも有効ですが、BtoBの場合は導入効果など具体的な情報を加味して総合的に判断されます。そのため、文章はなるべく論理的に、具体的な数値を用いて記載するようにしましょう。
可能な範囲でサービスの導入事例を提示すると安心感を与えることができます。
また、BtoC向けLPの場合は、感情に訴えかけることが重要なため、印象に残るデザインにすることが重要です。
一方でBtoBの場合は企業の信頼感を与えることが求められるため、シンプルで落ち着いたデザインのLPが多い傾向にあります。読み手のインサイトなども考慮しながら、適切なデザインを採用しましょう。
BtoB LP(ランディングページ)で必要な情報設計
ユーザーに対して効果的に商品の魅力を伝えるには、LP制作時における構成の設計が重要です。ここでは、BtoB LPの一般的な構成をご紹介します。
どのような情報設計が必要か
LPの目的を達成するためには、流入した見込み顧客の購買意欲を上げるコンテンツを提示することが重要です。
情報設計の際にはターゲットを明確に設定したうえで、以下の3点を意識しましょう。
1.課題の解決策がわかる
2.導入メリットがわかる
3.比較検討できる
これらの基本を意識したうえで、以下の情報設計にしたがって内容を決定します。
1.ご担当者の課題
まず、ターゲットの担当者が抱える課題を記載し、ユーザーの共感を誘います。その内容を自分ごととして理解してもらい、以降のコンテンツを読み進めやすくする目的です。
「〇〇のようなお悩みはありませんか?」といった文言を使うことで、ユーザーに「この企業は悩みをわかっている」と感じてもらいやすくなります。
2.課題を解決できるソリューション
上記で述べた課題を解決できるソリューションとして、自社の商品を提示します。最終的には購買行動を促進することが目的です。機能の説明だけでなく、キャッチコピーや画像も使いつつ、「何を解決する商品なのか」を端的に伝えましょう。
3.導入のメリット
課題を抱える担当者に対して、商品・サービス導入のメリットを複数提示します。「必要コストを〇%削減」や「〇人分の業務を効率化」といったように、具体的な数字や実績を用いて、詳細に伝えることでユーザーに安心感をもってもらいましょう。
また、メリットが複数ある場合は、先に紹介した課題やソリューションの特徴と関連度が深いものを挙げることで、論理的な訴求ができます。
4.活用事例
実際に導入した他社の事例は、多くの担当者がチェックするポイントです。特に製造業の場合は、活用する現場のイメージがわきやすいように、写真を用いて発信することも重視します。企業のロゴや担当者の声、数値データについても、提示が可能であれば記載できると良いでしょう。
5.製品仕様
自社商品の仕様を記載します。「ぜひそのソリューションを導入したい」と感じたユーザーが、後から説明を聞いた際や導入した際に「話と違った」「仕様上、自社に導入できない」といったギャップを生まないように、正確に記載しましょう。
6.信頼感を与える情報
BtoB LPは企業の信頼度が重要です。ユーザーに信頼してもらえるよう、口コミや過去の受賞歴、ランキングなど、第三者視点の実績を提示します。それらの情報が不足している場合、運営元の企業を詳しく記載するだけでも信頼感を与えることが可能です。
客観的な情報をアピールすることで商品の権威づけを行い、ユーザーの不安を払しょくします。
7.競合との違い・比較表
競合サービスと比較して、自社の強みや特徴を提示します。比較表などを用いて、ビジュアル面からわかりやすく伝えると良いでしょう。担当者が他のページに遷移せずとも、その場で商品間の差異を確認できるため、競合サイトへの遷移を防ぐことができます。
8.価格・料金体系
最後に価格を提示します。具体的な価格を明記できない場合は、おおよその金額感を記載するだけでも大丈夫です。価格帯がある程度わかると決裁者にも説明がしやすくなり、契約率を高めることにつながります。
これらに加えて、間にコンバージョンポイントとなるCTAボタンを複数配置します。ユーザーに行動を促す文言を使い分けることがポイントです。
上記で紹介した8つの構成は、課題解決型のLP構成例となります。サービス・活用例・仕様・競合との違いを理解してもらい、コンバージョンにつなげることに重きを置いています。
SaaS系の商材の場合は、導入までの流れやFAQ、サポート体制といった内容も含めることで、ユーザーの理解度を深めることができるでしょう。商品・サービスに応じて、最適な構成は異なるため、定期的にコンテンツの改善を実施することも効果的です。
BtoB LPの制作・運用なら、BtoB専門のサイト制作会社へ
BtoB企業の商品・サービスの販路拡大や契約獲得に欠かせないLPについて、目的や設計の重要度を中心にご紹介しました。まずは、LPの特徴や商材を踏まえてコンバージョンポイントを設定し、ユーザーとの接点を作ることが重要です。さらに課題の解決策や導入メリットといった情報を論理的に伝えて、ユーザーが比較検討しやすい環境を作ることも必要でしょう。
LP制作の際は、ターゲット層の共感を呼ぶコンテンツや情報の配置など、事前の情報設計がポイントです。商品・サービスの強みを理解しつつ、信頼感を得られるデザインスキルも求められるでしょう。それらのスキルや実績を持つ企業に依頼することは、効果的な選択肢の1つといえます。
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