【デジタルマーケティング】第3回社内講習会「具体的な事例で体験する」
【重要ポイント】マーケティングとプロモーションの違い
前回の振り返り
・マーケティングとは
・売上、原価、粗利、販管費
について確認しました。
マーケティングとプロモーションの違い
今回は、マーケティングとプロモーションの違いを体感してもらうために、ある案件を元に具体的に話しました。
まず、知っておく必要がある事として、5つの競争要因とSWOT分析です。聞いた事があるが、きちんと理解できていない人が多いのではないでしょうか?
5つの競争要因(ファイブフォース分析)
「業界内の競合」同じような製品・サービスを扱い、同じような顧客セグメントを狙う企業
「売り手の交渉力」商品の製造会社や卸など業界にとってのサプライヤーの交渉力を表すものです。
「買い手の交渉力」商品やサービスを購入する顧客の交渉力を表しています。
「新規参入者」現在業界にいない企業が新たに参入してくる可能性もあります。
「代替品」その業界の製品と同じような機能・価値を持つ製品を代替品と呼びます。
今回の案件背景をファイブフォース分析をしながら簡単に説明します。
インターネットを専門に特殊な老眼鏡(既製の遠近両用)を販売している会社です。
「業界内の競合」としては、楽天内での販売も行っており、競合としては2、3社あります。
「売り手の交渉力」眼鏡に必要なフレームやレンズの提供は一般的な小売店(眼鏡店)も多くあり、その内の一店舗なので大きな影響は現状ありません。
「買い手の交渉力」特殊な老眼鏡の為、競合も少なく、商品自体もまだまだ少ない市場の為、お客様は自社含め競合の数社から商品を選択する。
「新規参入者」眼鏡やレンズに関する知識とEC販売等の知識が必要であり、比較的参入障壁が高く、在庫を持つというリスクもあるので定期的な参入はありますが、少ない。
「代替品」遠近両用コンタクトレンズやそもそも遠近両用は使わず、一般的な老眼鏡を使用している。老眼鏡は、100円ショップでも売っている。
基本戦略とSWOT分析
次に、SWOT分析を行う上で、もう一点重要となるのが基本戦略です。
1.コストリーダーシップ戦略
2.差別化戦略(付加価値戦略)
3.上記をセグメントした地域や市場で集中投下し実施
別の機会にご説明しますが、弊社が扱うクライアントの多くは中小企業で、競合も多く、同一商品や同一サービスを提供していますので、基本戦略としては、差別化戦略をどのように考えるかの一択しかありません。
つまり、競合他社との差別化点をお客様に対して明確に打ち出す事が重要となり、それに加えSWOT分析をします。
強み(Strengths) クリアレンズなのにUVカット99%以上や他では扱っていない、サングラスタイプの遠近両用など扱っている。
弱み(Weaknesses) フレームのデザイン数が少ない。資本力が無い。
機会(Opportunities) 福井県鯖江市(日本の眼鏡の聖地)のレンズメーカーやフレームメーカーとのコネクションがある。
脅威(Threats) 定期的な新規参入によりパイの奪い合いの可能性
そのうえで、商品やサービスを見直し、プロモーションを実施することが重要です。
意外と分かっていない盲点
良くある話なのですが、大手の企業なら商品開発をするうえで、何百、何千というアンケートや顧客データを利用していると思いますが、それを元に商品やサービスを見直しても売れないことがあります。
皆さんの身近にあるアンケートに答えた経験があれば、分かると思います。
また、お客様の顕在化しているニーズでさえ、統計数値データにまとめられてしまうと、捉えられない事が多くなっています。
それは、高度成長期時代と違い、お客様一人一人のニーズが細分化されてきているからです。また、インターネットの発達、リテラシーの向上により多くの情報を取得しています。
理想論を考え、語る事は大切ですが、現実をみて落とし込まないと、非効率=薄利もしくは、利益が出ないことになります。
現時点で最も効率の良い利益(粗利や営業利益)を上げられるのはどのプロモーションなのかを考え、投下していく事です。
このような事を考え、商品化やサービス内容を考えて行き、日々、5つの競争要因の関係やバランスが変化し、競合他社が新たな商品やサービスを提供する事もありますので、常に取り巻く環境状況を把握しながら、PDCAを回していきます。事前に競合情報が入ればもちろんよいですが、そのような事は難しいので、売上の変化や各ページへのアクセス数などを見ながら、環境の変化を察知し、新規参入や競合の状況を調査しその原因を突き止め、対策を実施、PDCAを回していく事が重要で、この一連の流れがマーケティングになります。
そのうえで、より集客を増やす施策として、プロモーションを実施します。
新規については、リスティング広告などになるかと思いますが、既存の顧客がいる場合は、メールやDM等で、促すことが重要です。
一度、サービスや商品を体験してる人の方が、CV率が高いのはお分かりになるかと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?プロモショーンを実施する上で、必要なのがマーケティングという事をご体感頂けたでしょうか?マーケティングを行う上で必要な最低限の知識は、第1回~第3回の講習会で網羅されていると思います。実際にご自身の業務や実務で行う事や日頃ランチをするお店などをクライアントに見立て、分析することもマーケティングスキルを上げる方法の一つです。