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BtoBサイト改善のためのGoogleAnalytics分析ポイントを解説【BtoBサイト制作の勘所】
法人向けのBtoBサイトでは、ニッチな商材を扱うことが多いためサイトの流入数が少ない傾向にあります。企業が目的とする問い合わせ獲得につなげるには、アクセス分析によるサイト改善が必須です。
この記事では、BtoBサイトの運用に携わる担当者に向けて、BtoBサイトの改善へ向けた運用課題とGoogleAnalyticsを用いた分析のポイントについて解説します。
BtoBサイト運用・改善における課題感
BtoBサイトはBtoCサイトと運用方法が異なる点が多くため、ここでは、BtoBサイトの特徴から運用で担当者が陥りやすい課題をご紹介します。
SEOでの集客数が少ないため、リードが獲れない
SEO(Search Engine Optimization)とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで自社サイトの掲載順位を高めるための手法・施策のことを指します。
SEOを強化することで、長期的には広告配信に頼らずに多くの見込み顧客にリーチでき、自社サービスの認知度を高められる点や、問い合わせを獲得できる点がメリットです。
一方で、SEOで上位掲載を獲得し、定常的にリード創出できる体制を整えるには多くの時間を要します。商材にも寄りますが、期待する効果が出るまでにおよそ半年〜1年ほどは地道な運用と改善を繰り返す必要があるでしょう。
さらに、BtoB商材はBtoC商材の検索ワードと比較すると、検索ボリュームが絞られるため、思うようにサイトの流入数を増やせないケースが多いです。結果として、想定していたようにリードの獲得ができないことに課題を感じる企業も多い状況です。
ユーザーが知りたい情報が掲載されていない
自社サイトに訪問したユーザー(見込み顧客)をリードにするには、最初に訪れたランディングページ上に、ユーザーが求めている情報を掲載するようにしましょう。
検索エンジンの検索結果には、似たような情報を提供するサイトが複数社存在していることが多く、他サイトと内容を比較することも容易です。求めている情報が見つからなければ、すぐに別サイトに情報を探しに行くユーザーも多いため、記事の品質も重要なのです。
必要とされる情報を提供するには、検索ワードからユーザーのインサイト(隠れた本音や検索動機)を読み解き、適切なコンテンツを提供する必要があります。仮に企業側のユーザー理解が浅いと、掲載するコンテンツを読み間違えてしまい、求めていた状態と大きく乖離してしまうことも頻繁に起こり得ます。企業のマーケティング担当者は、日ごろからユーザーインタビューを行ったり、ユーザーと深くかかわる担当者から情報を共有してもらうなど、ユーザーを深く理解する努力が必要です。
ユーザーが知りたい情報に辿りつかない(導線設計)
検索行動を起こしているユーザーは、限られた時間の中で情報収集しているため、求めている情報に瞬時に辿り着かないとすぐにそのサイトから離脱してしまう可能性が高いです。
問い合わせや資料請求、メルマガ登録などユーザーに行動を促すには、掲載するコンテンツはもちろん、求めている情報がどこにあるかをわかりやすくすることが必要です。
「サイト流入は多いが問い合わせは少ない」といった場合、導線を見直すことで成果を改善できるでしょう。例えば、お問い合わせフォームの場所がユーザー視点でわかりづらいと想定される場合は、目立つ位置への移動やCTAボタンの設置などが有効です。
ユーザーの確度に合わせたコンバージョンポイントが用意されていない
サイトを訪れる見込み顧客の温度感はそれぞれで、まだ情報収集段階のユーザーもいれば、すでにサービスの導入がある程度決まっているユーザーもいます。
各フェーズや確度に応じて求める情報は異なるため、情報収集段階のユーザーに商談を持ち掛けても断られる可能性が高いです。
情報収集段階であればメルマガ登録、比較段階であればサービス資料や事例集のダウンロードといったように、各フェーズに合わせてコンバージョンポイントを複数設置します。BtoBサイトでは、さまざまな角度からユーザーにアプローチできる体制を整えておくことが重要です。
BtoBサイトの分析手法(GoogleAnalytics編)
BtoBサイトの課題が分かったところで、実際にサイトを運用する際の分析手法をみてみましょう。ここでは、Google社が提供する、GoogleAnalyticsを用いた分析手法をご紹介します。
全体パフォーマンスを確認する
まずはサイト全体のパフォーマンスを確認し、自社サイトの現状を把握しましょう。
①サイト全体の流入数を確認する
最初にサイト全体の流入数を確認しましょう。基本的にサイトへの流入数を増やすことができなければ、リーチできるユーザー数が縮小してしまい、見込み顧客の獲得機会を逃す恐れがあります。
現時点での流入数を確認しておくことで、施策を実施した後で実際に流入数の増加に寄与しているかの効果検証がしやすくなります。
可能であれば外部ツールなども併用し、同業他社のサイト流入数なども確認しておくと、比較や評価がしやすくなるでしょう。
②サイト全体のコンバージョン数・率を確認する
つづいて、資料ダウンロードの件数やお問い合わせの件数など、自社サイトのKPIとなるコンバージョンの数や、コンバージョン率を確認しておきましょう。
サイト運用や改善施策は、基本的にコンバージョンを創出するために行うものです。これらの指標を計測・分析しなければ、何を軸において改善すればよいかの判断がしづらくなってしまいます。GoogleAnalyticsでキーイベントの設定を行い、最低限確認したいKPIだけでも計測できる環境を整えましょう。
コンバージョン率は一般的に、問い合わせで約0.5%〜1.0%、資料請求や見積り依頼で約1.5%といわれています。これらの値も参考に比較しましょう。
個別ページのパフォーマンスを確認する
サイト全体の数値を把握したら、個別ページの数値を深掘りし、現状の数値に至っている要因を確認しましょう。
①ランディングページと直帰率を確認する
ランディングページとは、サイト訪問者が自社サイト上で初めて訪れるページのことです。ランディングページのPV数などを確認することで、ユーザーがどのページから閲覧しているかを確認できます。仮にユーザーあたりのPV数が少ない場合、ランディングページからの遷移が滞っている可能性が考えられるでしょう。このように数値を確認することで、改善すべきページの優先順位を決めやすくなります。
また、ユーザーが求めている情報を提供できているかを確認するには、各ランディングページの直帰率(ユーザーがサイトを訪問した際に、他のページを閲覧せずに別サイトに移動してしまった割合)を用いて確認できます。
PV数が多く、かつ直帰率の高いページはユーザーが多く訪れており、コンバージョン創出の可能性が高いにも関わらず、求められている情報と実際の掲載内容に大きな乖離があるかもしれません。優先的に掲載内容や導線設計を見直すと良いでしょう。
②各ページのPV数と直帰率を確認する
ランディングページ以外にも、各ページのPV数とその直帰率を確認することで、該当のページがどれだけ検索エンジン上に表示されたかや、適切な情報を提示できているかを確認できます。
自社で積極的に表示させたいページであるにも関わらず、PV数が少ないページは、ユーザーへのリーチを拡大する必要があるためSEO対策を行い、検索エンジンに評価されるページへと改善しましょう。
③問い合わせフォーム等のPV数と入力完了数を確認する
問い合わせ数や資料請求数など、自社サイトで目標として設定しているKPIはもちろんのこと、その前段階である問い合わせフォームの到達数(PV数)も確認しましょう。
BtoBサイトは、BtoCサイトと比較してサイト流入の母数が少ないことが多く、素早くPDCAサイクルが回せないという課題もあります。
限られたアクセスデータを有効活用するため、前段階であるフォームの到達数や、送客ボタン(CTA)のクリック数などを計測し、コンバージョンに至るまでの導線が適切であるかどうかを確認しておきましょう。
フォームのPV数自体が少ない場合は、自社サイトにユーザーが訪れても興味がわかずにすぐ離脱してしまっていたり、問い合わせをしたいのにフォームを見つけられていなかったりするケースが考えられます。
このような場合は、GoogleAnalyticsだけでなくヒートマップツールも活用し、フォームの位置やコンテンツを変更することで、フォームのPV数や到達率を改善していきましょう。
④コンバージョンに貢献しているページを確認する
最後に、最もコンバージョンに貢献しているページを把握しておきましょう。コンバージョンに至ったユーザーが閲覧したページは、ユーザーの求めている情報を適切に提示し、わかりやすい導線設計になっている可能性が高いです。該当ページの構成を参考にすることで、他ページの改善の糸口が見つけやすくなります。
コンバージョンに貢献しているページを見つけたら、そのページの流入キーワードや、CTAボタンの設置数・デザインなどを深堀りします。他ページに横展開していくことで、よりコンバージョンの生まれやすいサイトを創り上げることができるでしょう。
なお、GoogleAnalytics上でページごとに流入キーワードを確認するには、Googleサーチコンソールとの連携設定が必要です。
BtoBサイトの特徴を理解し、これからの分析や仮説検証に活用していきましょう
BtoBサイトの運用や分析は、難易度が高いといわれることも多いですが、基本的なポイントを押さえて数値分析を行うことができれば、改善の方針が見えてきます。やみくもに施策を実施しても求めている成果にはつながりにくいほか、自社のナレッジも蓄積できないことが多いです。
この記事を参考に、BtoBサイトの運用やGoogleAnalyticsで重視すべきポイントを整理し、企業が期待する効果の見込めて、競合他社に負けない強固なサイトを育てていきましょう。